【鮨と日本酒ペアリング】鮨かの秋〜冬定番の半熟イクラと芳醇旨口な奥能登の白菊を合わせる‼︎
唎酒師の資格を持つ店主 鹿野亮が選ぶ‼︎日本酒ペアリング第7弾‼︎
秋から始まる絶品半熟イクラに味わい深い〝奥能登の白菊〟を合わせると⁉︎
豊洲市場にて仕入れる選りすぐりのイクラの原料である筋子。そのシーズンは9月から12月。案外長い期間楽しめますね。
少しの火入れによるチーズの様なトロける味わいの〝半熟イクラ〟。今年も大好評。コースの主役的存在でした。
そして半熟イクラに合わせるのは、〝奥能登の白菊〟。1本筋の通った様な〝鮨かの〟の日本酒ラインナップの中では骨太、旨口の日本酒です。
今回は濃厚な旨味の〝半熟イクラ〟と、飲んで思わず〝ウマッ〟と言いたくなってしまう〝奥能登の白菊〟。この組み合わせについて少し掘り下げてみたいと思います。
もくじ
豊洲市場にて仕入れる選りすぐりの筋子。
令和3年度はマスコミでも取り上げられた赤潮の影響により、12月に入ると鮨かのでも未体験の1キロあたり2万円に迫る勢いという驚愕の仕入れ値に超高騰。異常な相場です。
イクラの筋子の産地は、北海道知床から始まり時期と共に南下。12月中頃になった現在は津軽海峡周辺が上質となっています。
これからも高値が続くと思われますが、鮨かのはシーズン終了まで仕入れ続けます‼︎
半熟イクラの握りについて。
炊きたてのシャリで握るので、イクラは手渡しで。
水に当てずに旨味を閉じ込め、少しの火入れ処理を施した半熟卵の様なコクを持つトロけるイクラに仕上げます。
赤酢がまだ米の内部まで浸透していない粒の立った合わせたてのシャリと濃厚な半熟イクラのコラボレーションはたまらぬ美味しさです‼︎
奥能登の白菊とは。
能登半島のとったん。石川県輪島市。海の目の前という素晴らしいロケーション。そこに蔵を構える〝白藤酒造〟さんがごく少人数でお酒造りをされています。
スペックは、精米歩合55% アルコール17度。特別純米無濾過生原酒。使用米は山田錦と五百万石。お燗にすると炊きたてのご飯の様なホッコリする味わい。そしてキレは良い。
最近は、こういうしみじみとホッコリする様な日本酒が少なくなってきた様な気がします。
半熟イクラと奥能登の白菊を合わせる‼︎
ほんのり温かい炊きたてのシャリに乗せられた半熟イクラ。トロける濃厚な旨味が広がります。
そして少し熱めの45度ほどにお燗された奥能登の白菊を合わせると、イクラには無い日本酒の麹の苦味がプラスされ味わいが深くなり喉もとに流してくれます。
温かい握りと温かい日本酒。心地よい組み合わせですよね。特に寒い冬にはお燗をオススメ致します‼︎
まとめ
秋の味覚を代表する見た目にも美しいイクラ。鮨として完成された一品ですよね。そろそろシーズンは終わってしまいます。今年もたくさんのイクラを仕込んだなぁ。
合わせた奥能登の白菊も個人的に大好きな1本です。蔵のある輪島にもいつか行ってみたいと思っています。コチラはまだまだお飲み頂けるので、ぜひ輪島の魚と合わせてみて下さい。〝氷見の寒ブリ〟なんかとも合うと思います。
〝鮨かの〟がこだわっているのは、ただ食に寄り添うのではなく、少しの遊び心のある様な飲んで美味しい日本酒。楽しくなる様な日本酒です。
適切な温度など、組み合わせるのはなかなか難しかったりしますが、これからもバシバシテイスティングしていきたいと思っております‼︎