イタリアの本格鮨店で握る!貴重な体験をして来ました!

その店の名は〝塩omakase〟!鮨の魅力は海をも渡る!

令和7年1月。鮨かのに研修に来たイタリア人鮨シェフのロリスと女将のフランチェスカから、「遊びに来い!」という誘いを受け、この度以前から興味を持っていたドロミテの登山と絡めて、彼らのお店に遊びに行く事にしました。

 

 

彼らのお店『塩omakase』は、ローマから北東方向へ車で約3時間。アドリア海のほど近く。マルケ州・アスコリ・ピチェーノという街にあります。

ローマとの間には、標高3000m級の大きな山脈があり、電車は通っていません。

観光客がそこに行くには、バスかレンタカーしか移動手段がほぼ無いのです。

今回は有り難い事に、ローマまでロリス達が車で迎えに来てくれるとの事。

ローマで前泊してロリス達の迎えを待ち、翌日我々はローカルイタリア人に鮨を握る為に、一路アスコリ・ピチェーノへ向かいました!

 

鮨かの×塩omakaseスペシャルコラボナイト!

 

 

アスコリピチェーノはこんなところ

 

賑やかなローマを過ぎると、一面のオリーブ畑が広がっていました。

やがてそれはウネウネした峠道へと続きます。この道は昔、アドリア海からローマまで塩を運んでいた塩の街道だったそうです。

「全ての道はローマに通ずる」

この言葉の一端を担っていた街道なんですね。

なるほど!歴史ある街道からお店の名前を頂いた訳だ!

〝塩〟という漢字がカッコ良く見えたから付けたんだろうなぁ。と思っていましたが、真相は違いました。

彼等のセンスの良さを感じた瞬間でした。

 

初日は打ち合わせも兼ねて、地元の名物〝アロスティチーニ(羊の串焼き)を食べに、トルトレートという街のアドリア海が見渡せる丘の上のレストラン〝Largo del Mulino〟へ向かいました。

 

 

この辺りは羊をよく食べる地域みたいです。

とても雰囲気の良いレストランで、街の風を体感しました。

 

塩omakase営業開始!

 

 

前日から献立を練り、ひと通り決めていよいよ仕事の日です!

 

イタリアでの夕飯スタートはとても遅く、〝塩omakase〟のスタートも21:00。

その訳は、地元の人達は日中は暑いので、ビーチに行くのが16:00から17:00だそう。そうすると家に帰ってシャワー浴びたりしていると夕飯が21:00頃になるとの説明でした。

また、この時期のイタリアの日照時間は長く、夜は20:30頃まで明るいのです。

 

まずは料理人御用達のマーケットへ。

この日の為に予約していた2キロ越えのロブスター(1尾42,000円!)や、必要な野菜の仕入れに行きました。

どんな食材が有るのか、我々に見せたかったんだと思います。

 

ちなみに〝塩omakase〟では、お酢は千葉県の〝キサイチ〟を。醤油は和歌山県の〝湯浅醤油〟を使っていました。

当然仕入れ値は高くなるでしょうが、相当数の日本食材が手に入る様です。

 

 

一旦店に置きに戻り、フランチェスカの妹が経営するビーチハウス(海の家)へ、のんびりとお昼を食べに向かいます。

いつものんびり。悪くないです。

初めて見るアドリア海の白い砂浜と青い海。白ワインとボンゴレ。最高でした。

 

さぁ!そろそろ仕込みを始めましょう!

握り醤油作りやゴマ炒りから始まったので、大丈夫かな?と思いましたが、料理のプロが4人も居るのでトントンと進みます。

 

女将マリコは茶碗蒸しとお味噌汁に使う出汁とり。マコトは巨大ロプスターとの格闘。

鮨ネタをどう味付けしてどう出すかをロリスと相談。

パティシエ歴10年以上のフランチェスカはデザートを担当。

 

食材は全て現地で調達。海が近いので、こだわりの魚屋やマグロ専門店もあり魚種は豊富でした。

イタリアでは、生食の魚は1度冷凍してからでなければ提供出来ない、という事が法律で決められています。アニサキス対策です。

その為、殆どの魚はすでにロリスの手によって捌かれ、サクにして冷凍されていました。

 

ギリギリまで仕込み作業は続き、気が付くとゲストが続々と来店。いよいよスペシャルな夜の始まり!

この日は〝塩〟の常連さん達で12席すべて満席ですよ!

 

 

勝手な想像ですが、イタリアの人は遅刻が当たり前かと思っていましたが、この日は全員が開始時間に揃っていました。

魚屋さん。ロリスの料理人仲間。友達。ドクターなど。聞いてみると、日本には一度も行った事が無い人ばかり。

私達が来る事をとても楽しみにしていた事と思います!

 

 

彼等のこだわりの一つに、シャリ切りはゲスト全員が着席してから始める事が有りました。

シャリ切りを見てもらいたい事と、作り置きをしないという事です。

 

コース内容は、パクチョイのせ茶碗蒸しから始まり、ロブスター刺身、イカ(塩とレモンと大葉挟み)、炙りサーモンイクラのせ、USAウニ軍艦、ブリ柚子ジュレのせ、〆鯖の細巻き(大葉と胡麻入り)、ホタテ、エビ、ヅケまぐろ、炙りトロ、熟成トロ、中落ち手巻きロブスターのお味噌汁、デザートというomakaseに仕上げました!

フランチェスカお手製デザートのクオリティはとても高く、その後、本格的に抹茶を淹れる。

イタリアとは思えないクオリティです!

最後に、ゲストに向けて「グラッツェ!」と伝えたところ、全員からBlabo!という声と拍手が飛び交ってきました!

感動の瞬間です!

大盛り上がりのまま、深夜0時までomakaseは続きました!

 

omakase終了!Makanaiスタート!

 

 

ゲストをお見送りし、後片付けを済ますと、午前1時。

ふとロリスに「お刺身の切り方を教えてくれっ!」と言われ、鮨ネタ用の切付けとは違う切り方を見せると、興味津々に覗き込んで来ました。

日本人の普通はイタリア人にとって、とても興味を惹く事なのですね。

 

地元のスプマンテを開栓してくれ、魚の切れっ端でMakanaiの始まり!

語らいは深夜3時まで続きました。

 

塩omakase体験を終えて。

 

アスコリピチェーノには約30軒のすし店があり、ほとんどはビュッフェスタイルなアメリカンスシだそうです。

イタリアの地方にすし店がそれ程有る事も意外に思いますし、〝塩omakase〟の本物度合いにも感心する所がありました。

〝sushi〟が持つ魅力は、思っていたよりも大きい事を改めて知れた機会になりました。

 

 

一夜明けてみると、滞在中感じる事が無かった「日本に帰りたい…」という気持ちが湧いて来ました。

たぶん、それは達成感から出た気持ちなんだと思います。

 

hey!ロリス&フラ!今回はお世話になったね!また遊びに行くからね!

またコラボしようぜっ!