イタリアの本格すし職人登場!ロリスの鮨かの体験記!

イタリアで鮨店を営む若者達と鮨かの交流記!

今回、行動を共にしたロリス(33才)とフランチェスカ(36才)は、イタリア マルケ州にあるアスコリ•ピチェノという街で、〝OMAKASE〟スタイルの鮨店を営んでいます。

 

ロリスは、トムクルーズ主演で話題になった映画〝ラストサムライ〟を鑑賞した際に、サムライに憧れを持ち、初めての給料で日本旅行のチケットを買ったそうです。

2012年。成田空港に着き、成田市街の寿司店で初めて味わったお寿司に感動を覚え(当時ロリス21才)、猪突猛進な所がある彼はミラノの〝sushi school〟に入学。

そうしてスルスルと鮨の道に入っていった訳です。

卒業後、故郷のアスコリ・ピチェノに、妻のフランチェスカと共に〝塩〟というお店を2024年4月にオープン。(開店18:00から21:00まではお好み。21:00からは〝おまかせ〟のみ。毎週水曜日はラーメンデー)

イタリアで独自に成長した、本格鮨店を2人で切り盛りしています。

 

↑アスコリ・ピチェノはココ。アドリア海が近く、質の良いマグロが獲れるそうです。

 

日本が大好きなロリスは、鮨かのInstagramを数年前からフォローしており、「1月にジャパンに行くから豊洲市場やカノの仕込みを見せてくれっ‼︎」とメッセージを送信し、カノはそれを承諾。今回の事案になりました。

 

鮨かのとしては、外国の鮨職人に仕込みなどを見せるという事は初めての事です。

彼らと一緒に行動する事で、どんな刺激を受けるのか。それを知る為の2日間の始まりです!

 

海外の鮨職人との交流体験!

 

 

初日。鮨かのでの食事から合羽橋道具街まで。

 

彼らの日本旅行の行程は、

・金沢の鮨店へ食事と研修と近江市場見学。

・白川郷の合掌造り観光。

・あきる野市にあるラーメン学校〝ラ塾〟研修2日間(ロリス)

・渋谷にある和菓子教室(フランチェスカ)

・ミシュラン星付き鮨店永田町かねさかで食事と研修

・鮨かのと共にする2日間

です。ほぼ勉強の為の日本旅行ですね…

「観光はしないの?」と聞くと、「コレがオレたちの観光なんだっ!」と笑顔で答えるロリス達でした。

 

行動初日。鮨かのでの〝おまかせ〟を体験した後、2人を連れてイタリアでは入手しづらい調理器具を探しに合羽橋道具街へ行ってきました。

柳包丁、おひつ、わさびおろし、刷毛、ラーメンどんぶりを始めとする食器、箸置き、白衣などなど。どうやって持って帰るのか心配になる程購入する2人でした。

 

 

鮨かのが2人から得た情報は、イタリアでは食中毒防止の為、生食用の魚は全て冷凍しなければならない事。それを残念に思っている事。

木製のまな板やお櫃は営業では衛生上使用禁止の為、合成樹脂製のまな板などを使用。(漆塗りはOK)

ロリスのお店〝塩〟では、シャリ酢には千葉県にあるお酢メーカー〝キサイチ〟を使用。

醤油は大手商品ではなく、和歌山県にある木桶仕込みの〝湯浅醤油〟が気に入っている。

〝味付けかんぴょう〟もイタリアで入手可能。

かんぴょうは巻物以外に、メンマの様にラーメンの具材としてもGOOD!(想像だと、硬めのかんぴょうなんでしょうね。)

強いこだわりを感じます…

 

そしてフランチェスカの〝塩〟でのユニフォームは着物です。

彼女が欲しがっている小物を購入する為三越本店にも出向きました。

その後夕刻、アスコリ・ピチェノには無いというスターバックスにて、休憩と翌日の豊洲市場見学の打ち合わせをし、初日は終了。

忙しい1日でした…

 

豊洲市場見学の日

 

行動2日目。まだ夜が明けきらぬ早朝6:00に豊洲市場で待ち合わせ。

「昨夜は21:00に寝た」というロリスたち。元気いっぱいです!

水産仲卸棟見学からスタート!

 

 

マグロ屋では、セリが終わったばかりの超鮮度マグロの味見までさせてもらい、ゴキゲンなロリスたち。

鮨かのが普段お世話になっているエビ屋、穴子屋、アンキモ屋などを巡りました。

ロリスが使う市場には、魚屋は数店舗しかないそう。豊洲市場の広さには圧巻された事と思います。

 

道具街では、包丁屋、長靴屋、乾物屋などへ。

 

 

値段は高くなるけれど、〝ピチッとシート(魚の水分を抜く為のシート)〟や、〝サビトール(包丁の錆び取り消しゴム)などを始めとする意外な品までイタリアでも入手出来るそうです。

 

急に、「〝カンスイ〟はどこに売ってる⁉︎」と言い出すロリス。

カンスイ?

 

ラーメンの麺に使うそうですね…知りませんでした…

日本人より詳しい…

 

 

道具屋さんでは、社長に〝ウニすくいスプーン〟をもらっていました。

 

こうして、約2時間かけて豊洲市場をひと回りした後、鮨かのに移動。

羽釜で炊きあげるシャリ切り体験から始まりです。

 

そのシャリ切りをするロリスの姿を見て、基本的技術を既に持っている事がすぐに分かりました。

現地で自分のお店を持っているので、それは当たり前の事なのですが…

改めて感心した瞬間です。

 

「イタリアではどんな鮨が好まれているのか」と聞くと、少しだけ残念そうな顔をしながら、〝ロール〟と答えていました。

巻物のウケが良いんですね。真面目なロリスは、本当は握りを出したいのでしょう。

 

 

ロリス達の現地での可能性が広がる様に。と思い、鮨かのが得意とする〝イワシ巻〟や合わせ技の〝太巻〟の体験を行いました。

イクラや穴子のパンチある美味しさがイタリアの人達にウケます様に!

 

 

カマスの握りで、炭を皮目に当てるパフォーマンスの披露や、おそらく初めて見るだろう子持ち槍イカの印籠詰めの実習。

茶碗蒸しを美味しく仕上げる秘訣などなど。

限られた時間に目一杯の事を詰め込みました!

 

↑この水玉ハチマキはお土産にもらいました。

 

早朝から動いているカノは、お昼過ぎには少々お疲れモードになっておりました…

若者達のパワーに押され気味…

14:00に研修は幕を閉じました。

 

打ち上げの始まり!

 

彼らの日本での最後の夕食として選んだのは、虎ノ門にある〝國よし〟。

スタイリッシュな空間で食べる本格焼鳥です!

「焼鳥は居酒屋でしか食べた事がない」というロリス達は、Buonissimo‼︎の連発!

連れていった甲斐があります!

 

 

2軒目に連れて行ったのは、私達のイキツケ。西麻布にある〝library lounge These〟

東京の洗練されたカクテル。

「ロリスのお母さんはstrangeなの…」

ジョークを交えたおしゃべりを楽しみながら夜は更けて行きました。

 

 

ロリスたちとの交流を経て思ったこと。

 

今回の日本旅行でたくさんの調理用道具を入れたロリスたち。

それらが早速イタリアの〝塩〟で大活躍している画像が送られてきます。

 

 

そしてそれぞれ日々の生活にもどりました。

鮨かののレシピで作る〝だし醤油〟の色が黒いっ‼︎

着物はコレで合ってる⁉︎

前掛けの結び方を教えてくれ‼︎

好奇心旺盛な彼らとはその後も毎日の様に何度もLINEでやり取りしています。

ヘィ!ロリス‼︎今度はカノが〝塩〟に行くからなっ!イタリアを案内してくれよ‼︎

see you again in this summer ‼︎