日本包丁研ぎ協会 プロの研ぎ師の講習を受けに2度目の松阪へ!

研磨とは何か。包丁についての新たな見解を知る1日!

令和5年7月上旬。

包丁研ぎ講習を受けに、講師が代表を務める月山義髙刃物店のある三重県松阪市に行ってきました。

それは、鮨かの大将鹿野亮にとって2回目の研ぎ講義です。

 

↑前回の包丁研ぎ講習の様子です。

 

鮨職人にとって、もっとも身近な調理器具である包丁ですが、日々の仕事に追われる事で、〝今〟の状態がベストなのか、見極める事はなかなか難しかったりします。

 

調理現場ではなく、〝研ぎ〟のプロの目の前で、席に座り、自分の包丁を様々な角度から〝見る〟。

そんな機会はあまり無いのですが、幸い鮨かのには師匠と呼べる研ぎ師が居ます。

現在の自分の包丁研ぎスキルの確認、改善点、そして最先端の情報を求め、松阪に向かったレポートを綴りたいと思います!

 

包丁とトコトン向き合う1日

 

 

いざっ!松阪へっ!

 

 

朝6時過ぎの東京発東海道新幹線に乗り名古屋へ。そこから特急に乗り換え、松阪を目指します。

この日は、真夏の様な晴天が広がっておりました。

これから長時間講義を受ける事に少し緊張しながらも、遠くに見える鈴鹿山脈を眺めながら、その土地に自分を順応させます!

 

包丁研ぎ講習開始!

 

 

さて。10時を迎える頃、講義場である月山義隆刃物店に到着。

2回目の講義という事で、現在の自分の包丁に対する質問や悩みごとなどを聞く所から始まりました。

 

・この時は梅雨時だったので、その湿気による〝サビ〟に頭を悩ませていた。

・研ぎの終着地点が分からない(研ぎ終えるタイミング)。

・自分の〝研ぎ〟がプロ目線で何点なのか。

時間は限られているので、ズバズバ質問を投げかけました。

 

講師の藤原将志氏は、ミシュラン星付きの飲食店などから、年間契約で包丁メンテナンスを担当しています。

その現場に入る事も多く、故に最先端の情報を持っており、また、切れ味の食べ比べ実験も多くされています。

出来るだけ多くの情報を受け取る為、一語一句注意深く聴いておりました!

 

切れ味とは。

 

 

現在鮨かので使っている包丁達は、既にプロの手によって整えられています。

歪みなく真っ直ぐに仕上げられている為、〝糸刃〟を整えるだけで理想的な〝切れ味〟を引き出す事の出来る包丁なのです。

 

焼いた事で生まれる味。

煮る事で生まれる味。

同じ様に、切る事で生まれる味。それが切れ味です。

切れる包丁でしか、生み出せない味わいが有るのです。

 

松阪の夜!ご当地グルメ 鶏焼肉を楽しむ!

 

 

講習はお昼休憩を挟み、7時間みっちりと行われました。

夕方6時。2度目の包丁研ぎ講習も無事終了!

この日は松阪のソウルフードと呼ばれる鶏焼肉を楽しんで来ました。

甘味噌ダレを付けながら食べる鶏は、柔らか食感でビールによく合い、ご飯が進みます!

疲れた体に染み渡ります。充実感溢れる瞬間!

良い旅になりました!

 

講習を受けて変わったこと。

 

 

今回の講習を受けて最も変わった事は、包丁を研いで終わり。ではなく、包丁全面を磨く所まで行って終了。という工程になった事です。

〝研磨〟とは、その字の通り、研いで磨く。

そうする事で包丁の滑りが良くなり、食品に対するストレスが一段と少なくなるんですね。

 

奥さまのお化粧用のパフで鏡の様になるまで磨きたいと意気込んでいる最中で御座います!

 

 

変わった事がもう一つ。

包丁を濡れた布巾で拭いたあと、乾いた布巾でもう一度拭く。

二度拭きしてキチンと水分を取る訳です。

この動作を加えました。

これは包丁だけではなく、まな板や手など、食品に触れるもの全部、徹底して行います。

雑味を無くす為の大切なひと手間です!

 

第二回目の包丁研ぎ講習会も、ひとまず終了。

今、私の頭の中には師匠から頂いた情報がまだまだ入っています。

それは、きっと毎日の仕事の中で〝気付き〟となって生かされる時が来る事でしょう。

今回の経験を大切なデータとして記録しておきたいと思います。

講習の際、使う教本にはこう書かれています。

 

【研ぐ喜び】研ぎは視覚、聴覚、触覚を駆使する技術で、自己との対話、包丁と砥石との対話を楽しみます。

 

近頃、自分の包丁の切れ味が素晴らしく良く、輝いている姿を見ていると、ようやく〝研ぎ〟が楽しくなってきている自分に気付くのでありました。

 

また教本には、こうも書かれています。

 

【感謝される喜び】家族や周囲の方々の包丁を研いであげることで、感謝されます。

 

まだまだプロの研ぎ師には遠く及びませんが、私の情報でよければ、アドバイスさせて頂きます!