日本包丁研ぎ協会 プロの包丁研ぎ師による講習を受けに松阪へ!

三重県松阪市。月山義高刃物店 店主 藤原将志による最高の研ぎを叩き込まれる!

今回の包丁研修をするキッカケは、今年10月に京都宮津にて開催された飯尾醸造主催。

世界シャリサミット2022でした。

 

↑鮨かのも参加した〝シャリサミット〟の様子です。

 

そのシャリサミットで〝プロの為の包丁研ぎ〟という講座がありました。

自分を含めて、多くの料理人が自己流と言われる〝包丁研ぎ〟。

それは日頃の業務に追われて、つい後回しになってしまいがちだったりします。

〝研ぎ〟についての知識を持つ機会も少ない。という事も、ひとつの要因かと思います。

そんな料理人にとって、永遠のテーマとも言えるであろう〝包丁研ぎ〟。

プロの研ぎ師による講義が受けられると知り、早速申し込んだ次第です。

 

もくじ

 

 

いざっ!松阪へ!

 

講義場所は、三重県松阪市。

初めて訪れる場所です。

ここに月山義高刃物店はあります。

 

http://www.tsukiyama.jp/

 

東京駅。

6:30発の東海道新幹線に乗り名古屋を目指します。

そして、特急に乗り換え約1時間。

ハマグリで有名な〝桑名〟や日本一短い駅名〝津〟を通り過ぎ、牛肉で有名な〝松阪〟に到着しました。

 

 

この日は透き通る様な、青空が広がる12月らしい寒さ。

初めて訪れる場所で深呼吸。

期待と興奮と共に、講習の場である月山義高刃物店に到着しました!

 

月山義高刃物店での研ぎ講習開始!

 

 

今回の包丁研ぎ講習は、とても贅沢なマンツーマン。

プロの研ぎ師と自分。

一対一です。

終了時間の19:00まで集中力が保つのか…

そんな不安も抱えていました。

 

↑机上には〝包丁を研ぐ〟というプリントが置かれています。

 

さて。包丁研ぎ師 藤原将志による特訓の始まりです。

 

包丁とは。

自分が普段使っている包丁が、どんな材質で作られているのか。

材質による違いは何なのか。

なぜ研ぐのか。

研ぎ終わりはいつなのか。

砥石について。

机の上にはプリントが有りますが、ほぼ見ません。

藤原将志氏の頭の中の莫大な知識が存在する事をダイレクトに感じでいました。

それは、休憩を入れる事なく昼過ぎまで話は続きました。

 

 

お昼を軽く挟み、この後も講義は続きます。

包丁について。だけに収まりません。

食品の美味しさと雑味。

ステンレス鋼は素材の香りを抜いてしまう。

そして魚について。

話は多岐に渡ります。

 

面白いのは、包丁を全く触らない事でした。

この日1日という限りある時間の中で、徹底的に〝包丁について〟の広い知識を持つ事に重きを置いているのです。

 

いよいよ実践!ひたすら研ぐ!

 

 

16:00を回った頃でしょうか。

自分が普段使っている包丁は、どこが研げているのか。

どこを研ぐべきか。

凹みや歪みは無いか。

状態をしっかりと見極め、いよいよ研ぎが始まりました。

 

研ぎは、砥石の面直しから始まります。

真っ直ぐな砥石無くして、切れる包丁は生まれません。

それは包丁を研ぐ時、毎回必ず行う作業なのです。

 

包丁を研ぐ時のポイントは⁉︎

 

 

研ぐ時の気を付けるべきポイントは、包丁のひねりを意識した左手の置き場。

左手を上手く使い、右手は添える程度。

力は入れない。

切り刃と糸刃。研ぐ箇所が二つある事。

都度バリと呼ばれる〝かえり〟をチェックする。などです。

研ぎの〝音〟にも気を配ります。

上手く研げている音は高いのです。

 

 

自分の良い点。悪い点。

プロの研ぎ師にチェックしてもらいながら、包丁を研ぐ機会は初めてです。

指先が痛くなるまで研ぎ続けました。

 

気がつくと、終了時刻の19:00が迫っています!

集中力が保つかどころか、時間が足りない!

もっと自分の包丁を研いでいたい!

そんな気持ちで講習は終えました。

 

 

普段以上の輝きを取り戻した包丁には見事な刃線が付いています。

裏面も滑らかに光り、理想的なRが付いています。

 

〝研ぎ〟を極める事は、一朝一夕では有りません。

けれど、〝研ぎ〟をこんなに楽しく思えた事はありません。

〝研ぎ〟を後回しにする事すら考えられなくなりました!

 

包丁研ぎ研修を終えて。

 

 

長い様で短い1日が終えようとしています。

夜ごはんです。

ここは松阪。

本場で食べる松阪牛です!

講習での出来事をぼんやりと思い返し、焼肉を頂いてきました。

心地よい疲労感と達成感。

ビールがとても美味しかったです!

ひとり焼肉は初めてでしたが、悪くないですね!

 

研修を体験して変わったこと。

 

 

後日。

極限にまで、研ぎ抜かれた包丁で仕込みをしています。

ストレスをかけずに切り身にする魚の綺麗さはモチロンのこと。

照明を当て、食材を良く〝見る〟

という事をしています。

研ぎ講習の場所で、自分の研ぎが良く見える様に組み立てられていた事からの気づきでした。

魚を良く見て、仕事をする。

当たり前の事ですが、とても大切な事なのです!

 

今回〝白紙〟と呼ばれる出刃包丁を購入してきました。

これは炭素鋼で作られています。

長所は特殊鋼の包丁よりも切れ味が特に良い。

短所は錆びやすく刃先が欠けやすい。

手がかかるけど、バツグンの切れ味を持つ包丁です。

この包丁は今のところ、小肌や鯵。鰯など青魚を中心につかっています。

素晴らしい切れ味を持つ包丁で、仕込まれる光り物の美味しさが更に増しております!