【鮨と日本酒ペアリング】弾ける旨味‼︎天然帆立の握りと冬限定の俵雪を合わせる‼︎
唎酒師の資格を持つ店主 鹿野亮が選ぶ‼︎日本酒ペアリング第11弾‼︎
天然ホタテの煮びたしと俵雪 つや姫バージョンを合わせると⁉︎
冬に旬を迎える〝北海道 厚岸産天然ホタテ〟。
豊洲市場では元気に活きている状態で店頭に並んでいます。(たまに塩水を吹きかけてくる事もあるので要注意‼︎)
鮨かのでは、身に厚みの出る冬頃、鮨ネタにする事が多いです。
優しい食感と強い甘味。ワタクシも大好きな一品です。
そんな〝天然ホタテ〟に今回合わせる日本酒は、山形県鶴岡市で造られる〝俵雪〟つや姫バージョン。
〝つや姫〟という食用米で仕込まれた贅沢な日本酒です。
心地よい食感と甘味を持つホタテの握りと、芳醇な旨味を持つ俵雪を合わせると、どんな相乗効果が生まれるのか。
今回はこの組み合わせについて少し掘り下げてみたいと思います。
もくじ
北海道 厚岸産天然帆立について。
高タンパク。低カロリー。そしてタウリンが豊富。栄養価高く、食べて美味しい〝ほたて貝〟。
北海道産天然ものは、養殖の物と比べて、運動量の違いからか、特に甘味が強いと思います。
その〝天然ほたて〟を、鮨かのでは〝煮びたし〟にして握ります。
〝煮びたし〟とは、生のホタテに熱い煮汁をかけるだけに留め、生の食感は残しつつ、味を染み込ませる仕込み方。
生と煮。双方の良さを持っているホタテ貝になります。
天然ホタテの握りについて。
握る前にホタテを指で潰して繊維をほぐします。このひと手間によってシャリとの一体感が生まれるのです。
シャリとホタテの中には柚子をすり下ろした皮をほんの少し忍ばせる。握りの輪郭を整える役割です。
そして、ホタテエキスがたっぷりと入った〝貝ツメ〟を塗る事により、握りに深みを与えます。
赤酢のシャリとの相性も良い。
握りとして高い完成度を持った一貫かと思います。
山形銘酒 俵雪つや姫バージョンとは⁉︎
山形県鶴岡市に蔵を構える〝羽根田酒造〟。創業は1592年だそうです。400年以上の歴史です。凄い…
今回、特集している俵雪〝つや姫〟バージョンは2月に出荷されたばかりの冬限定酒。
スペックは、精米歩合50%の純米吟醸。アルコール16度。
山形ブランドである食用米〝つや姫〟を贅沢に使用した、無濾過 生 原酒。しぼりたての新酒。その上澄みです。
凄いこだわりですね。
フルーティーな香りと爽やかな酸味。そしてキレの良さ。
冷や又は熱めの燗がオススメかと思います。とても良く出来た食中酒です。
ちなみに、お酒の名前である〝俵雪〟とは、雪原に出来る風によって雪が俵状に丸くなっている状態の事を意味するそうです。
ホタテの握りと俵雪を合わせる‼︎
柔らかな食感が心地よいホタテの握り。柚子の香りがなんとも嬉しく感じます。
噛みしめる程にシャリと合わさり旨味が増幅してきます。
そして俵雪を冷の状態で合わせる。
すると、俵雪のフルーティーで爽やかな酸味と甘味がホタテの旨味と見事に合わさり、素晴らしい相乗効果が生まれます。
まとめ
甘辛く味付けされた帆立と、爽やかな甘味を持つ俵雪。
この組み合わせは素晴らしく、ワクワクする様な気持ちにもなります。
握りと日本酒をドンピシャで合わせようとすると、どうしても〝おとなしめ〟な日本酒が登場しがちなんですよね。
でも、鮨かのでは、少し遊び心を加えた、楽しくなる様な日本酒を扱っていきたいと思っています。
限られた期間だけ楽しめる握りとお酒って楽しいですよね。
これからもベストな組み合わせを探究したいと思います‼︎