女将の日本酒旅!兵庫の山奥で燗付け特訓&360年余の日本酒蔵で蔵元見学‼︎
〝燗は付ける人で味わいが変わる⁉︎〟を体験。調理する日本酒の味わいとは⁉︎江戸時代から続く老舗蔵の女性杜氏を訪ねる。
日本酒を担当してます女将です。
今回の〝鮨かのオフィシャルブログ〟は、私と一緒に日本酒の旅へご案内で御座います〜!
日本酒ってアミノ酸豊富で美味しいですよね。
麹菌や乳酸菌、酵母菌など様々な菌が織りなす日本の「國酒」。
その日本酒の魅力を伝えるべく、日本酒勉強の旅へ出発です!
もくじ
- 【鮨かの】の日本酒ペアリングコースとは
- 燗酒はつける人で味が変わる⁉︎
- いざっ!滋賀で蔵見学!
- 日本酒の魅力を伝える人々と触れ合って
【鮨かの】の日本酒ペアリングコースとは
今回私が訪ねた場所は、
兵庫県の朝来市と滋賀県の大津市の2ヶ所。
兵庫は、泊まり込みでひたすら実践の日本酒勉強。そして大津は、以前よりお世話になっている蔵と酒屋さんへのご挨拶です。
1人で行こうと思っていた所、高崎の【天ぷら もっこす】の女将・里子ちゃんも行きたいとの事で、女将2人の日本酒旅です!
〝鮨かの〟のお客様にも日本酒好きは多いですが、
その飲み方や好みも人によりさまざま。
実は日本酒を提供する側としては結構悩みが尽きません。
鮨かのには日本酒ペアリングコースがあります(90cc×5種類=3,500円)。
その名の通り、お料理に合わせてお出しします。
このコースの1番の目的はお客様に色々な日本酒を色々な温度帯で楽しんでもらいたい!
という所にあります。
お客様の飲むペースや雰囲気で出すものをどんどん変えてます。
隣のペアリングの方とでるお酒が違う事もよくあります。
ですので〝日本酒ペアリング〟と言いつつ、
この言葉は日本酒にはあまり当てはまらないと思っていて、
大体合うのが日本酒の素晴らしいところです。
ワインほど〝合う合わない〟が日本酒には無いからです。
燗はつける人で味が変わる⁉︎
早朝の東京駅を出発し、まずは東海道新幹線で姫路まで。
姫路から2両編成の播但線で北へ向かいます。
更に途中で乗り換えて今度は1両編成の(しかも整理券方式!)のローカル電車へ。
段々と山奥へ向かっていきます。
山奥は慣れているものの、姫路に降りた時から関西弁エリアでアウェイ感が結構あります。
目的地〝竹田駅〟で下車。
駅までは〝先生〟が迎えに来てくれました。
後で知りましたが、この〝竹田駅〟はあの天空の城で一躍有名になった〝竹田城〟がある駅なんです。
【酒うらら】さん。
今回の〝先生〟は【酒うらら】店主、
道前(どうまえ)さん。
こちらのご自宅でお世話になります。
道前さんは岡山で酒屋をやりつつ、出張日本酒バーや飲食店向けに日本酒の講義を行っている方です。
コロナもあって、今はここ兵庫県朝来市の自宅でやる事も多いそう。
結構な田舎ですが、
同居してる方は蔵人兼酒米農家の方。
その方の畑仕事がある為、今はこちらにお住まいです。
ご出身は島根県、しかも京大卒という方。
そんな道前流の燗付けを学びます!
そうです、今回は燗がメイン。
私の課題は色々有りましたが、
その中の1つ、鮨コースの中で楽しむ日本酒として、皆さんに疲れ無く美味しく飲んで貰いたいと言う事です。
また、燗派の私としては燗を飲まない人にも燗酒の良さを知ってもらいたいという事。
「燗は、、」って言う方もいらっしゃいますが、そんな方にも「燗って美味しい!」って飲んでもらいたい。
あと、燗の方が酔いが回るって人も居ますが、これはある意味あっていると思います。
燗は消化の段階で温める必要が無いので、
冷より早く酔いに気がつくのです。
摂取アルコール度数は変わりませんよ!
逆に飲み過ぎ防止なりますし、
身体の負担も少ないです。
なにより、温める事で冷には無い味わいが出てきます。
【燗】は1つの調理なのです。手間を掛けてそのお酒に合った温度まで上げる。美味しいに決まっています。
ただし、燗のつけ方次第では残念な味になってしまう事もあります。
その見極めが大切で、お酒と対話しながら
そのお酒の〝いい感じ〟の温度帯を探ります。
そんなテーマにそって燗付けをひたすらしていきます。
何種類飲んだかわかりませんが、
翌日はスッキリ!
〝スッキリ飲める〟そんな燗付け技術を身につけましたよ。
とにかく全てが興味深く面白い勉強会でした。同居人の蔵人さんとも、夜遅くまで蔵や酒米の色んなお話が出来て大変為になりました。
道前さん、依田さん、ありがとうございました。
「燗は付ける人で味わいが変わる」
それを実感しました。
日本酒好きなのに燗が苦手な方に是非美味しい燗を飲んでもらいたいです。
私の燗は鮨かのでどうぞ体験して下さい。
まだまだ未熟ですが、美味しい燗付けで日本酒をご提供させて頂きます。
折角なので、竹田城も登って来ました。
登る、と言っても、40分程の舗装された道を歩けます。
低山なので、雲海が出るのはかなりレア。
年に数回、寒暖差の多い秋頃の確率が高いそうです。
この日はただの曇り空でしたが、
城跡の本丸に立つと、素晴らしい景色を眺める事が出来ました!
いざっ!滋賀で蔵見学。
さて、道前さんに別れを告げ、次は京都を通過して滋賀県大津市へ。
〝特急はしだて〟に乗り、
福知山で〝特急こうのとり〟に乗り換えて京都まで約2時間。
京都で琵琶湖線に乗り換えて2駅で大津に着きます。
蔵見学を17時、夕飯を18時に予約していたのでちょっと時間がタイトでしたが、その前に1回酒屋さんにも軽くご挨拶。
翌日また来る旨を伝えて蔵へgo!
今回お邪魔した蔵は【平井商店】さん。
代表銘柄は【浅芽生・アサジヲ】。
その歴史は江戸時代初期の創業で、
現在360年余と非常に歴史ある蔵です。
現在は17代目のお父様・八兵衛さんと、18代目のお嬢さん・弘子さんが杜氏、
お婿さんの平井将太郎さんは元々大阪の方で、
日本酒が好きで伏見で働いていて、弘子さんと出会ったそう。現在は蔵人兼営業。
という家族経営の蔵です。
以前、鮨かのが頼りにしていました酒屋
【革命君】こと齋藤哲雄さん(享年43歳)が
平井将太郎さんを連れてきて下さいました。
私が美味しい美味しいって言って、
画像のお酒の、ビンテージ2017BYを全て蔵キープしてもらってからのお付き合いです。
齋藤さんが亡くなった後、
連絡を取れる蔵には出来る限り連絡を入れました。そんな蔵の一つが平井さんです。
平井さんの蔵は蔵直(蔵から直接お酒を買う)をやってくれたのですが、
ある日、平井さんから
「滋賀には美味しい日本酒がまだまだたくさんあります。折角なので、浅芽生もご贔屓にして頂く事を前提で滋賀の酒を扱う地酒屋さんを紹介します」と。
うちはうちで、滋賀の不老泉も入れたいし、
北島も入れたいし、、なんて思っていた所でしたのでありがたい!
平井さんに紹介して頂いたのは、蔵のすぐ近くで滋賀の地酒を扱う【小川酒店】さん。
そこから、今回ご挨拶にお邪魔した
【小川酒店】さんとの取引がはじまります。
さて、蔵元見学です!
【平井商店】は駅前のアーケード内というちょっと変わった立地です。
現在の仕込み水も水道水を濾過した物。
それだけ聞くと、ん?って思う方もいるかもしれませんが、そこは先入観なく飲んで頂きたい。
この時期はどの蔵も麹造りに取り掛かっていました。
平井商店では、少量の仕込みを既に始めているタンクもありました。
浅芽生を醸す平井さん。
近年メキメキと酒質が上がっています(小川酒店さん曰く)。
滋賀らしい旨味たっぷりなお酒に、
さっぱりした味わいもありとても良い感じ。
こちらの絞りはヤブタ式と言う絞りです。
アコーディオンタイプのものと違い、
ぎゅーぎゅーまでは絞りません。
約2日掛けてゆっくり絞ったお酒です。
物によっては〝無圧〟と言って、
いわゆる〝袋絞り〟のお酒もあります。
この絞り方は雑味が出ないクリアな酒質のお酒になります。浅芽生の無圧は鮨かのにも常時置いてます。
蔵の中を一通り案内してもらい、
仕込み中のタンクも見せてもらい、
麹室まで見せて頂き、大満足です!
平井さんありがとうございました^ ^
夜もたっぷり滋賀のお酒を飲んで、
翌日に改めて【小川酒店】さんへ。
https://shiga-sake.shopinfo.jp/
小川さんは双子の姉妹で酒屋をやっています。
蔵とのお付き合いも密で、とにかく情報量が凄い!
滋賀県内の32〜33蔵の色んな情報を教えてくださいます。
お会いするのは今回初めてでしたが、やはりとっても魅力的な方でした。
しかも、前日までお世話になってた道前さんともお知り合いとは!世間は狭い!
以前から感じていましたが、
滋賀の酒屋や蔵は滋賀愛がとてもある!
雄町などの一部の酒米を除いて、滋賀独自の酒米からメジャーな酒米まで。
滋賀産のお米を使っている蔵が多いです。
小川さんも滋賀愛があるお1人。
浜大津で月イチで行う〝朝市〟の実行委員でもある為、滋賀の文化を色んな形で発信してらっしゃいます。
https://www.machidukuri-otsu.jp/market
↑浜大津朝市ホームページ。
日本酒の魅力を伝える人々と触れ合って
今回お会いした方々は、
蔵の方や蔵にとても近い方々でした。
当然みなさま日本酒に熱く、日本酒の良さを伝えたいという気持ちがひしひしと伝わってきます。
そんな皆さんと話してると、
私も「あ、こういう話しがしたかったんだ」と改めて実感。
たくさん話してもまだ足りない、
そんな気持ちで兵庫や滋賀を後にしました。
私の使命は日本酒の良さを伝える事と思っています。
日本酒って造り方も複雑で、ラベル表記も難しく、なかなか浸透しにくいところはあります。
が、日本酒を飲む方にも飲まない方にも、
もっと日本酒の魅力を知ってもらいたい!
これからも日本酒の面白さを伝えるべく、
営業に励みたいと改めて思いました。
こんなに複雑な菌が絡み合って、
様々な温度帯で楽しめる、
何より鮨や和食の日本食に最高に合う、
こんなお酒、ほかに無いですよ!