令和4年度 夏の風物詩。新子のシーズンが始まりました!

職人の技術が結集した一貫!今、食べるべき握りはコレだ!

今年は梅雨明けがとても早かったですね。

新子の状況は例年通りという感じでした。

 

7月初旬には豊洲市場に入荷し始めた模様です。

出始めの新子は1キロあたり10万円前後という非常に高値が付く事もある〝新子〟

その後の仕入れ値も、高値で安定。

ウニと同等レベルが続きます。

そのシーズンは夏。

時には、大きくなったり。

また、小さくなったりを繰り返し、

産地も佐賀や江戸前と変わっていきます。

8月いっぱいは楽しめるかと思います。

 

↑小肌と新子。こんなに大きさが違います。

 

小肌は出世魚です。

新子→小肌→ナカズミ→コノシロ。

大きくなるにつれ呼び名が変わります。

鮨屋が使うのは、小肌まで。

それ以上大きくなると骨っぽくなってしまいます。

 

細かな〝捌き〟〝塩じめ〟〝酢じめ〟〝寝かせ〟など、技術が集結された新子の鮨。

今回は、そんな〝新子〟について少し掘り下げてみたいと思います。

 

もくじ

 

鮨かのが取り扱う新子について。

 

令和4年。〝鮨かの〟が、新子を取り扱う様になったのは、7月第3週。11日からでした。

その新子の産地は、佐賀県有明湾のもの。

この地域で獲れる新子は、魚体の状態保持の為の〝ミョウバン〟を使っていないと言われています。

そのおかげで、ミョウバン独特の風味が無く、魚体は柔らかくなっています。

小さい魚体ながら、身に厚みがあり、生命力の強さ故に出来る事。と言われています。

 

そして、佐賀県産と並ぶ産地として江戸前が挙げられます。

豊洲市場からも近い漁場ですからね。

鮮度バツグン。これぞ江戸前の鮨ですね。

 

豊洲市場での新子のようす。

 

↑豊洲市場での様子。画像は200g入り。

 

仕入れは豊洲市場。

仲買さんに前もって、LINEなどでの〝前注〟にて入荷してます。

手間のかかる新子の仕込みは、1時間かかる事もよくあります。

仕込む心構えも大切なのです。

 

↑一回で、40~50尾の仕込みをします。

 

新子の仕込みで1番気を付けているのは、色々な〝温度〟です。

夏の温かい〝水道水〟を使ってしまうと、一気に傷んでしまいます。

洗う時などは、氷水で。

仕込みに使うお酢も冷やして。

室温にも気を配ります。

 

新子の仕込みはスピーディーに。

 

↑脱水する為に新子を塩に当てる。

 

下処理を施し、塩に当てる。

その後、氷水で冷やし込みながら洗う。

そして、余分な水分をキチンと拭う。

 

↑余分な水分はキチンと除きます。

 

小さな新子を痛めない様に丁寧に。

かつ、スピーディーに仕事を進める。

これが1番大切な事だと思います。

魚体も様々。脂ノリも様々。

なので、塩にあてる時間や酢に漬ける時間は〝感覚〟です。

 

仕込みのかなめ!新子の酢じめ。

 

↑仕込みに使うお酢も冷たくしてます。

 

新子を締める〝お酢〟は、京都から取り寄せている〝飯尾醸造〟のもの。

飯尾醸造は無農薬のお米からお酢に仕上げているお酢屋さん。

速醸で作られたお酢とは全く違い、旨味の詰まった本物の日本古来の伝統製法にて、お酢を造られています。

 

昆布の様な旨味を持つ〝富士酢プレミアム〟、キレの良い〝純米富士酢〟。

2種類独自にブレンドしたツケ酢を使用します。

富士酢を使った新子は、とにかくシットリとジューシーに仕上がるのです。

 

↑立てる様に保管。そっと寝かせます。

 

お酢で洗う様にし、保管。

立てる様に置き、余分な水分を除きます。

魚体により、2日から3日。4日と寝かせます。

そうする事で、塩味と酸味のバランスを整えるのです。

 

新子の握りの美味しさはココにある!

 

↑柔らかく爽やかな酸味。新子にしか無い美味しさです。

 

新子、小肌の仕込みに使う〝お酢〟とシャリに使っている〝お酢〟は同じ。

飯尾醸造の富士酢です。

その相性はバツグンに良いです。

新子の爽やかな旨味。柔らかい身質とシャリが噛み締める程に一体化し、旨味を増してゆきます。

暑い夏にこそ、食べて美味しい一貫かと思います。

 

まとめ

 

新子が美味しい季節は、親である〝小肌〟もバツグンに美味しい季節でもあります。

新子と小肌の食べ比べが出来るのはわずかな時期だけです。

鮨屋の技術が集まって完成される一貫。

夏の鮨を楽しんで頂きたいと思います!