【鮨と日本酒ペアリング】小田原地魚 春のメジナと最強食中酒の鷹勇を合わせる‼︎

唎酒師の資格を持つ店主 鹿野亮が選ぶ‼︎日本酒ペアリング第14弾‼︎ 

旬を迎える相模湾の極上メジナとスッキリ旨い鷹勇を合わせると⁉︎

 

東京都内での鮨屋で〝メジナ〟を握りとしてお出しする店は少ないと思います。

〝鮨かの〟が契約する〝小田原漁場〟からメジナが入荷するのは、春。メジナが白子を持つ時期になります。

 

軽やかな旨味とコクを持つ白子を挟んだメジナの握り、知る人ぞ知る春の風物詩とも言える一貫でしょう。

 

そんなメジナの握りに今回合わせる日本酒は、食事と合わせる事で真価を発揮する〝鷹勇〟。

こちらも知っている人は知っている。旨味を残しながらもサラリとしている最強の食中酒です。

 

メジナの握りと鷹勇を合わせると、どんな相乗効果が生まれるのか。

今回は、この組み合わせについて掘り下げてみたいと思います。

 

もくじ

 

小田原地魚 春のメジナとは⁉︎

 

↑硬いウロコに包まれているメジナ。

 

魚体は、約1.5キロ。40センチほどの大きさのものが質が良いです。

硬いウロコに覆われる小田原のメジナは、程よく脂を蓄えた〝アスリート〟の様なフォルムをしています。

知名度の低さが原因なのか、豊洲市場で見かける事は少なく、旬のメジナの美味しさを知っている人は、かなりの玄人ですかね。

 

知る人ぞ知るメジナの旨さ‼︎

 

↑鯛の様な綺麗な色合いです。

 

3枚におろしてみると、まるで、真鯛の様な鮮やかな身質が現れます。

ベタベタしておらず、シットリとしているのは、軽やかで綺麗な脂を蓄えている証拠。そして、栄養豊かな海で泳いでいる魚は身質も綺麗なのです!

 

メジナの握りについて。

 

↑間にスライスされた白子が挟まれています。

 

少しの脱水と旨味移しを目的に、軽く昆布じめにしてから握ります。

メジナの握りの1番の醍醐味はやはり、白子。

軽やかなコクを持つ白子をネタとシャリのあいだに仕込みます。

そして、メジナの身質は、適度な弾力と爽やかな旨味を持っています。

 

食べる機会は少ないかも知れませんが、旬のメジナは驚くべき美味しさを持っています!

 

鳥取銘酒 最強食中酒 鷹勇とは⁉︎

 

↑鳥取銘酒 鷹勇。硬派なラベルですね。

 

山陰地方の隠れた銘酒と知られる〝鷹勇〟は、鳥取県琴浦町にある大谷酒造で造られています。

創業は明治5年。100年以上続く酒蔵です。

 

鮨かのが扱う鷹勇のスペックは、原料米は山田錦。精米歩合50%の純米吟醸。

〝なかだれ〟と呼ばれる、タンクの中心のもっとも酒質が安定した部分だけを瓶詰めした、贅沢な1本となっております。

なめらかな口あたりと、豊かな風味。

そしてキレの良さを併せ持つ秀逸な食中酒なのです。

 

メジナの握りと鷹勇を合わせる‼︎

 

 

シットリとしたメジナの握りは、噛み締める程に白子のコク、赤酢のシャリと合わさり旨味が増幅していきます。

そして、〝鷹勇〟を60℃のあつ燗で。

日本酒の温度を上げると、冷やの時には隠れていたコクと旨味が前面に現れ、握りとの相性もバツグンに良くなります。

口に含むと、メジナの握りの余韻を包み込んみ、喉もとに流してくれます。そしてその後に来るキレの良さ。

素晴らしい相乗効果が生まれます。

 

まとめ

 

小田原産メジナは、今のところ2回だけ鮨かのに入荷しました。

全国の魚が集まる豊洲中央市場と違い、

小田原 相模湾の旬の地魚が楽しめる期間は、あっという間に過ぎてしまいます。

でもそこがまた〝産地直送鮮魚〟の楽しみな点でもあるのかな。と思います。

食べ逃した方はまた来年お楽しみに!

 

鮨と日本酒のペアリングは難しく考えずに自由に楽しむ事が一番かと思います。

冷酒もモチロン美味しいと思いますが、ほのかに温かい握りには、温かい日本酒。

しみじみ旨い魚にはしみじみ旨い日本酒が良いですね。

ぜひ、暖かくなるこれからの季節もお燗酒の持つ美味しさを体験してみて下さい。