【鮨と日本酒ペアリング】今が旬‼︎トップブランド稲取金目鯛と、爽やかな甘味の勢正宗を合わせる‼︎
唎酒師の資格を持つ店主 鹿野亮が選ぶ‼︎日本酒ペアリング第13弾‼︎
旨味満載‼︎稲取金目鯛と、優しい甘味を持つ勢正宗を合わせると⁉︎
鮨かのが契約する〝小田原漁場〟。春のエース的存在である〝稲取金目鯛〟。
上質な脂を全身に蓄えている稲取金目鯛は、手に持つとシットリと、それでいて張りがあります。
見た目にも美しい金目鯛は、なんとも言えない旨味のかたまりです。
そんな稲取金目鯛に、今回合わせる日本酒は、〝鮨かの〟が先日蔵訪問させて頂いた〝丸世酒造店〟が造る〝勢正宗(いきおいまさむね)グリーンカープ〟。
長野県独自の酵母由来の爽やかな香りともち米独特のスッキリとした甘味を持つ〝勢正宗〟
このふたつを合わせると、どんな相乗効果が生まれるのか。
今回はこの組み合わせについて、少し掘り下げてみたいと思います。
もくじ
小田原漁場 春のエース。稲取金目鯛‼︎

金目鯛の産地として、もっとも有名な東伊豆にある小さな漁師町、稲取。
稲取と伊豆大島の間にある深場に住む金目鯛は、捕食している小魚の質が良いそうです。
そのため、脂のノリ、旨味が強くトップブランドとして知られています。
旬は、春と夏。
ぷっくらと丸々した極上の金目鯛の入荷量は多くはないので、前もって予約。漁れ次第〝鮨かの〟に届く仕組みになっています。
弾ける旨味‼︎稲取金目鯛の握り‼︎

金目鯛は湯霜造りにして、皮ぎしの旨味ごと召し上がって頂きます。
また、身側は昆布じめを施し、少しの脱水と旨味足し。
身質は、シットリとしています。
春っぽい色合いも今の季節にピッタリ。
ぜひ召し上がって頂きたい一貫です。
もち米熱掛四段仕込み 勢正宗 グリーンカープとは⁉︎

志賀高原の麓。長野県中野市にある〝丸世酒造店〟で醸される【勢正宗 グリーンカープ】
〝緑色の大きな鯉〟のラベルがインパクトありますね。
春の〝スプリングカープ〟冬の〝ウィンターカープ〟夏の〝オマツリカープ〟など、時期でカラーと名前が違います。
今回〝鮨かの〟が仕入れたのはちょうど蔵に訪問した時の新酒で、年明けに販売される、〝グリーンカープ〟となっています。
〝丸世酒造店〟の創業は、明治3年。140年続く老舗の蔵元です。
現在の杜氏は、昭和59年生まれの5代目。
若者の造る日本酒はこだわりが有ってとても面白いと思います。
スペックは、使用米は長野県産ひとごこち 精米歩合70%。アルコール16度。
純米無濾過 生 原酒になります。
勢正宗の最大の特徴は、〝もち米熱掛四段仕込み〟
通常の日本酒造りは、〝三段仕込み〟ですが、この勢正宗は、搾る直前に熱いもち米を加える〝四段仕込み〟になっています。
もち米の持つスッキリとした甘さを加える事が出来る伝統製法なのです。
また、〝長野D酵母〟を使用しており、その酵母由来のフルーティーさも持ち合わせた、華やかな食中酒に仕上がっています。
稲取金目鯛の握りと勢正宗グリーンカープを合わせる‼︎

強い旨味と甘味を持つ稲取金目鯛。
ワサビは多めにして握ります。
赤酢との相性もバツグンに良く、噛みしめる毎にシャリと合わさり旨味を増す。
思わず唸ってしまう事でしょう。
そして、そこに〝勢正宗〟を55度ほどに温めた燗で。
すると、冷やの状態の時には隠れていた、旨味と甘味が現れ、〝勢正宗〟らしいホッコリとする旨さになります。
金目鯛の握りの旨味と勢正宗の甘味が合わさり、喉もとにスッと流れていきます。
握りの人肌程度の温度と勢正宗の燗の温度もバッチリ。
これぞペアリングの醍醐味なのです。
まとめ
鮨かのでは、週に一度小田原漁場から四季折々の地魚鮮魚を仕入れております。
そこには、都内の鮨屋では、あまり見かける事のない魚も多々あります。
今回特集した、稲取金目鯛の只今の入荷状況は絶好調。
ですが、それはいつまで続くかは全く分かりません。
そこもまた、面白い所なのかな。とも思います。
また、合わせた勢正宗はスッキリとした甘味を持つ飲んで楽しい色中酒です。
ただ食に合わせるだけではない、少しの遊び心を楽しんで頂けたらと思います。
春を迎え、益々魚種も豊富になってくる事でしょう。
これからも、旬の地魚と日本酒のベストマッチの探求を掘り下げていきたいと思います‼︎