革命君、ありがとうございました

先日、大好きな酒屋の

齋藤哲雄(写真左)さんが亡くなりました。

享年43歳。

嫌な予感はしていたものの、

訃報の知らせが届いた時ははショックで、

今も悲しくて、

残念で残念でなりません。

齋藤さんは地酒屋で働いていた12年程前に

白血病を発症。

抗がん剤治療をしながら、

どうしても酒屋をやりたくて7年前に

小さな酒屋をOpen。

 

〝小さな酒蔵応援団〟屋号は【革命君

酒屋といっても、

通院を続けながらの営業でしたので、

飲食店向けの発送メイン。

お店を〝基地〟と呼んでいましたね。

https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/gourmet/entry/2019/020578.html

↑以前テレ東プラスで特集された記事

小さい蔵だけど

丁寧に酒造りに取り組む

美味しいお酒を沢山ご存知でした。

 

また、蔵の方との関係性も強く

ラベルデザインの提案や味や熟成期間など

様々な提案を蔵に出来る方でした。

 

齋藤さんに出会うまでの

カノの日本酒のラインナップは、

どこの鮨屋や和食屋でも置いてるお酒、

首都圏向けにバンバン商品を売り出す酒、

それ故か人気で手に入りづらい酒、

日本酒好きなら1度は見聞きした事のあるお酒、が中心でした。

 

そのお酒達が悪い訳ではありません。

ただ、どこの店に行っても同じ酒が出てくるのは飲み手としては少々がっかり。

日本酒処の地方に食べに行ってるのに、

全国の人気銘柄が出てくると結構がっかりしますよね。

 

そして、酒屋で「鮨屋です」って言うと

必ず同じ酒を進めるのもなんかなぁ、と思っていました。

 

齋藤さんのお酒に出会ってからは、

「小さな酒蔵応援団」というキャッチコピーの通り、首都圏に販路があまりなくても頑張っている日本酒蔵を沢山紹介して頂きました。

 

鮨かののラインナップはガラリと変わり

面白味のあるラインに。

 

酒は齋藤さん1軒だけからの仕入れではありませんが、日本酒の7〜8割を齋藤さんに頼っていました。

齋藤さんは日本酒の質問を

1投げると10返ってくる様な丁寧な方でした。

齋藤さんの

お酒に傾ける情熱が

いつもひしひしと伝わって来て、

こちらも気持ちが良い。

 

それだけ熱い方でしたので

1番無念なのは、

きっと齋藤さんご本人です。

 

蔵とまだやりたい事、

私達にも伝えたい事沢山あったと思います。 

通院しながら店を開け、

身体も視力も弱く、体力も無い中

ひたむきに日本酒と向き合い続けた齋藤さん。

↑このロ万は齋藤さんオリジナルロ万。

まだ無名だったロ万を

齋藤さんが関東圏に広めました。

 

ロ万は齋藤さんに恩義があり

闘病を続ける齋藤さんを励ます意味も込めて

革命君オリジナル、

〝ロ万レボリューション〟を作りました。

このラベルでは2度と世に出ないかと思うと。。

 

2月頃から嫌な気がしていたので、

この瓶に残っていたお酒の提供をピタっと止めてしまいました。

なかなか空に出来なかったラストボトル。

 

訃報が届いた夜は

どこかで分かっていたので納得した様な、

でも物凄い喪失感。

 

そして残り僅かなロ万で献盃。

齋藤さんには感謝しかありません。

美味しい日本酒を沢山ありがとうございました。

 

意思は微力ながら受け継ぎます。

齋藤さん本当にお疲れ様でした。

心よりご冥福をお祈り致します。