【鮨と日本酒のペアリング】秋の味覚の代表格 秋刀魚と新波を合わせる‼︎

2021.11.10 店主ブログ

唎酒師である店主。鹿野 亮が選ぶ‼︎鮨と日本酒ペアリング第2弾‼︎

サンマ特有の旨味と米農家がこだわる新波の相性は⁉︎

〝鮨かの〟が仕入れを行なっている豊洲市場では、高値で安定している〝秋刀魚〟。秋もっとも美味しい食材のひとつですね。すっかり高級魚になってしまいましたが、その特有の旨味は素晴らしいと思います。

そして秋刀魚の握りと合わせる日本酒は、〝新波〟。〝にっぱ〟と読みます。新波の特筆すべきは原料である米農家によるこだわりの日本酒という所にあります。

今回はそんな秋刀魚の握りと〝新波〟とのペアリングについて掘り下げてみたいと思います。弾けるサンマの旨味と新波の相乗とは⁉︎見やすいもくじからどうぞ‼︎

もくじ

秋の風物詩 秋刀魚の握り

↑すっかり高級魚なさんま。皮目が綺麗です‼︎

今年は岩手県産の〝樽サンマ〟なんて呼ばれる幻の極上サンマの入荷もあり、〝鮨かの〟おまかせコース秋の献立には必ず組み込んでいました。

鮮度の良いサンマは皮の銀色と肉の赤が本当に綺麗な身色をしております。目で見ても美味しい握りのフォルムをしてますね。

皮目はツルッと、身質はプリッと。双方の食感を持ち合わせる。秋刀魚の甘味と特有の旨味。赤酢のシャリとの相性も抜群に良い。秋、もっとも食べて頂きたい一貫です。

米農家が作るこだわりの酒。新波とは⁉︎

↑栃木銘酒 にっぱと読みます。

栃木県栃木市。新波という土地で作られる有機無農薬栽培の山田錦を100%使用。

トロりとした酒質と原料香。ほのかに香ばしいチョコレートの様な風味。そして、原酒ならではの酸味の有る力強いキレ。〝鮨かの〟のラインナップの中でも重厚な酒質の部類に入ります。

今回ティスティングしたのは、2021バージョン。スペックは、【精米歩合55% 酸度1.8 アルコール16.8度】無濾過生原酒。そして袋吊りというなんとも贅沢な造り。

↑令和3年度の新波米。山田錦の様子。

実はこのお酒、400年間続く米農家の17代目田中潔さんのオリジナル日本酒。テロワールの表現を目指されている全量新波産。

自分が育てたお米で酔いたい、という何とも贅沢な考えから出来た日本酒です。醸造担当は同じ栃木で〝姿〟を醸造する飯沼醸造さん。農家の田中さんはご自身で酒飯免許をお取りになっているので、販売はご自身でされています。

酒屋にはほとんど卸していないレアなお酒です。ちなみに〝鮨かの〟は栃木のダチでお馴染みの寿司屋、柏倉さんに紹介してもらいました。

thank youかしわずし‼︎

秋刀魚の握りと新波のペアリング。

↑炙った皮目はパリッとします。

独特の旨味を持つ秋刀魚は生でモチロン美味しいのですが、今回は皮付きで炙りました。香ばしく旨味が引き出された炙りサンマ。口に含んだ瞬間に美味しさが弾けます。

合わせる新波は無濾過で火入れをしていない生酒。そして原酒。その袋吊り。それはとても贅沢で力強く品評会にラインナップする位個性を持った日本酒でした。

そんな新波を40°ほどの燗で。

秋刀魚の香ばしさと新波をお燗にする事で前面に出てくる炊き立てのご飯の様な香り。コレが見事にベストマッチ‼︎噛み締めるほどに旨味が倍増してきます‼︎

インパクト強めな秋刀魚と新波の組み合わせはコース前半の山場に相応しいものかと思います‼︎

まとめ

秋の味覚と言えば〝秋刀魚〟これは外せませんよね。脂がのったサンマの握りと合わせる日本酒はもちろんパワフルなものでなくてはなりません。そんな観点からすると、新波はドンピシャだったかな。と思います。

ブログを書いていて思ったのですが、〝穴子〟と〝新波〟の相性も良さそうですね。今度そちらも合わせてみます。

〝鮨かの〟日本酒仕入れ値段第一位でもある新波は常時ご準備しております。ぜひお試し下さいませ‼︎

追記 生産者さまご来店‼︎

↑大柄な田中さん。両方とも一升瓶です‼︎

新波米生産者の田中潔さんが鮨かのに来店されました。(令和3年12月)ありがとうございます‼︎

握りとお燗の組み合わせに太鼓判を頂きました‼︎